ヒューゴの不思議な発明 (2011)
制作国/イギリス・アメリカ合衆国
監督/マーティン・スコセッシ
上映時間/126分
マーティン・スコセッシ監督というと、タクシードライバーやアビエイター、ウルフ・オブ・ウォールストリートなど社会派?の映画が多い印象ですが、この「ヒューゴの不思議な発明」は贅沢で洗練されたファンタジー映画に仕上がっています。
パリのモンパルナス駅の時計台に隠れて暮らす主人公で孤児のヒューゴと駅内にある玩具屋主人ジョルジュ、少女イザベルを中心に物語は進行していきます。一見偶然に知り合ったこの3人関係の過去が一台の機械人形を通じて解き明かされていきます。
ストーリーもいいですが、特に映像はどのシーンを切り取っても1枚の写真のように計算され、美しく楽しめました。この映画(映像)は大切な宝物です。願わくば今度評価が高い3DのBDを手に入れて見返したいと思います。
数々の映画祭で受賞・ノミネートされたこの作品は、ゴールデングローブ賞の監督賞、アカデミー賞の5部門で受賞、11部門でノミネートされ評論家からも高く指示されました。
まだ観ていない方、是非ご覧くださいね!
コラテラル (2004)
制作国/アメリカ合衆国
監督/マイケル・マン
上映時間/120分
実を言うと、アメリカングラフィティー、ラヂオの時間みたいに寝静まった真夜中から朝までに起こる人間ドラマの映画が大好きです。
僕自身、グラフィック・デザイナーという職業上?徹夜することが多いのも影響したのかもしれません‥。
徹夜明け暗闇から少しづつ明るくなる時間は1日が始まる希望などではなく、自由な夜が終わった物悲しさしか感じませんでした。この映画のラストも長かった夜が明け朝を迎えて終わりますがそこに希望は見えるのでしょうか。
殺人を依頼されロサンゼルスにやってきた沈着冷静なトム・クルーズ演じる殺し屋ヴィンセントと「この仕事は続ける気はない、他にやりたいことがある‥。」と言いつつ12年タクシー運転手を続けるジェイミー・フォックス演じるマックスの2人の一晩の出来事です。
何と言ってもこの映画の面白さは、計算され尽くしたシナリオにあります。偶然に出会った殺し屋とタクシー運転手。最初2人はあまりにも好対照であると思われましたがストーリーが進むうちに2人はシンクロし立場が変化、逆転していきます。
僕はこの「コラテラル」はトム・クルーズの出演映画でも一番好きな映画です。
何回でも観たくなる映画が名作と言えると僕は思いますが、まさにこの映画は僕にとって名作の一つです。
ちなみにコラテラルとは「巻き添え」という意味です。
まだ観ていない方、是非ご覧くださいね!
ヒア アフター (2010)
制作国/アメリカ合衆国
監督/クイント・イーストウッド
上映時間/129分
2作続けてクイント・イーストウッド監督の作品です。
興行的にも、作品の質(各映画賞など)でも彼の監督した作品は非常に評価が
高いですね。斯く言う僕もどの作品も大好きです。
津波に遭遇しのみこまれた時に臨死体験をした女性ジャーナリスト、双子で愛する
兄を失った少年、そして幼い頃、臨死体験し死んだ人と会話できるようになった
マット・デイモン演じる主人公の元霊能者。この3人が死後世界をめぐるストーリーが展開していく。
改めてこの作品を見ると冒頭の津波シーンと東日本大震災で見た津波の描写がリアルすぎて驚いた。不謹慎だがこのシーンを見るだけでもお金を払う価値があると思います。
この作品のテーマは「死後の世界」です。
日本人はこの手の話はテレビやマスコミで教育?されているせいか抵抗なく受け入れることができ入りやすかった。
「死後の世界」を信じる信じないは別にして人は皆あればいいなと思っていると思う。それが証拠に世界中の宗教は「死後の世界」があることを前提に成立している。
だからこそこの映画はヒットし多くの人に観られたのだろう。
ラストは賛否両論あるみたいですが、僕自身は・・・・ですね。主人公には悪いですが。
クイント・イーストウッド監督の作品は、映画を見終わった後「さあ、君はどう思う?」と監督から問いかけられる作品が多いですね。
ナショナル・ボード・オブ・レビューの2010年の映画トップ5に選出、第83回アカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされました。
是非、ご覧くださいね!
グラン・トリノ (2008)
制作国/アメリカ合衆国
監督/クイント・イーストウッド
安くて性能がいい日本車が台頭し東洋人の町と化した車産業の町デトロイト。
この町でフォードの自動車工として50年勤め上げ隠居生活をしている主人公
の元軍人コワルスキー(クイント・イーストウッド)は、昨日妻を亡くします。
頑固さゆえに息子や孫からも嫌われ、唯一の理解者だった妻にも先立たれ
近所からも孤立していきます。唯一の自慢は、愛車グラン・トリノ。
アメリカが一番良かった時代の象徴として描かれます。
そんなある日、隣に引っ越してきたモン族の少年が不良友達に促され、コワルスキーの愛車グラン・トリノを盗みに入り失敗します。そしてこの少年や家族と知り合い交流を深めることにより頑固一徹だったコワルスキーの心に変化が現れていきます。
やがて自分の町を奪った東洋人を実の息子より大切になっていくコワルスキー。
最後には命をかけてこのモン族の家族を守るようになっていきます。
コワルスキー演じるクイント・イーストウッドの最後の出演作品となりましたが、
全てに渡りクイント・イーストウッドのこれまでの映画人生ラストを飾るにふさわしい秀作です。
この作品は第87回アカデミー賞作品賞にもノミネートされ、興行収入も制作費の8倍以上も稼ぎだしまた。
個人的に大好きな俳優でしたが、監督になってますます好きになりました。このブログでも紹介する作品が出てくと思います。
来月の10月18日夜9時からNHK BSで放送されます。
是非、ご覧くださいね!
人生スイッチ (2014)
制作国/アルゼンチン・スペイン
監督/ダミアン・ジフロン
記念すべきこのブログ最初のご紹介の映画は、
全6編によるアルゼンチンのオムニバスブラックコメディ映画です。
まずシナリオが優秀ですね!
起承転結、まるで4コマ漫画のような映画です。
この映画によく似たもので日本のTV番組で「世にも不思議な〜」と言う
短編オムニバスドラマの番組がありますが、
制作者はこの映画を見て勉強して欲しいとですね。
テーマは暴力と復讐。
ストーリーは誰にもでも起こりうる日常を切り取っています‥だから逆に言えば誰にでも起こりうるということ。
こんな場面に遭遇したら自分はこの映画の主人公のようになるんじゃないか。
気をつけようとか思うかも
この作品は第87回アカデミー賞外国映画賞にもノミネートされました。
きっとこの映画を見た後は、スカッとした気分になるに違いないと思います。
是非、ご覧くださいね!